【後編】Ome Farmの植物性発酵堆肥を囲んで

2020.12.16

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1.2 mile community compostでは、環境や循環などについて様々な取り組みを行っている方にお話を聞き、知見を広げコミュニティの価値を向上しています。見聞きしたことをコミュニティで共有することによって、さらなるアイデアの創出につなげています。


はじめに

11/23(月・祝)晴天のこの日は、都心から約1時間、東京都青梅市のOme Farmにお邪魔し、実際に使っている堆肥づくりを体験させていただきました。

「堆肥」と言っても、いろいろな方法の堆肥があることをこのプロジェクトを通して知りました。コミュニティでは、LFCコンポストを使い家庭の中ごみを分解します。

Ome Farmが採用している熟成方法は大規模な堆肥舎を設け土着の資材を使い発酵分解をさせる方式です。この方式が重視するポイントは、二次処理、すなわち二次的な発酵を起こすことです。二次処理をすることで、一次処理で死滅しなかった雑菌や病原菌、施用後に発芽可能性のある種子などをその発酵熱によって死滅させることができ、品質にこだわる本格的な農業用堆肥を作ることができると言います。

1.2 mile community compostでは、集めた堆肥の活用方法として農家の方との連携も見据えて「農家の方が使いたいと思う堆肥とはなんだろうか」という問いを考えてきました。そんな中で今回のこのような機会をいただき、実際に手足体を動かしながら、理解を深めました。

今回はNaoさんにレポートを書いていただきました!

働く、食べる

午前中の疲れを回復し午後に備えるため、待ちに待ったお昼ご飯です。ファームのみなさんと一緒に食卓を囲み、話をする、そこにはなんだか、幼い頃の遠足のお昼ご飯で感じた心地よさがありました。お昼ご飯も農耕接触のひとつの醍醐味です。ファームならでは、農場のお野菜を使った無水カレーをいただきました。シェフはOme Farm Kitchenでも腕を振るう小山さん。おいしい!

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食べることが、こんなにも楽しくておいしいのだということ。それは本来は何も特別なことではなく、私たちの毎日に「当たり前」にあっていいことだなと感じます。何故そう思えるのか、「美味しいスパイス?野菜?外だから?心も体もしっかり動かすこと?」などと話をして、こうして食べることにちゃんと意識が向けられることで、自分が何をどう食べたいか、日々の暮らしの中で選ぶ力も養えるのではないかと感じます。本来の食のあるべき形ってこうだよなと思う原点を旅した昼下がりでした。

すべては生きている

お昼を食べて、作業の続きです。午前中に集めた資材を使い床材を仕込みます。まさに糠床をつくるイメージです。

工程はシンプルで落ち葉や籾殻、米糠などを満遍なく混ぜ、水を入れます。そしてカーペットをかぶせ、1週間〜10日ほど寝かせるとじきに湯気が立ってくるんだとか。

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出来上がる床材でしっかりと菌たちが働いてくれているところに、この秋の畑から出た野菜くずなどを投入し水分をやり、混ぜる、の繰り返しです。
「春の堆肥にはおくらなど、秋の堆肥にはひまわりやバターナッツかぼちゃも入っているそうです。

現在利用している秋仕込みの堆肥も触らせていただいたのですが、堆肥の山の真ん中に穴を開けていただいて近づいただけでもう空気が暖かい!土を触ると温度があります。
そのように温度がしっかり上がったところに投入する事で、投入したものたちが「腐敗」ではなく「発酵分解する」過程に進めるそうです。

そして、この方法では堆肥が完熟するまでには10ヶ月前後かかり、その中で少なくとも二回の発酵を発生させることが大事になるといいます。

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感じるということ

「こうした作業は何度繰り返しても、やっぱり手作業だね」と言うのは、堆肥作りを教えてくださる松尾さん。もちろん重機も使いますが、混ぜる作業を手でやる事で、投入したものが1番均等に混ざり合うそうです。
私たちもやりながら、「土がそっちになさそうだから今掘ります!」など、気づいたら声がけしたりして、視覚をしっかりと使って混ぜていきました。

また、その実際の作業は、一度山にした層になっている籾殻・落ち葉・土・米糠を、スコップで崩しながら混ぜながら、横に同じ山をつくるという工程。10人以上がひたすらスコップを持って掘って移動するなかで、実はプーンとドライイーストのようなパン屋さんの匂いもします。米糠だと思いますが、これから発酵することを鼻でも感じます。

触感の微妙な違いを感じ、目でも崩れる音を感じながら、状況を目でも確認しながら、最後に、山の真ん中に開けた場所に、必要な分量の水も入れて、混ぜていきました。
味覚以外の五感をフルに使って、その場で判断していく、なかなか芸術的な作業です。

自然の美しさ

そういえば、気づいたらこんなに大量の堆肥に囲まれているのに、「臭い」と言う言葉は誰からも聞かなかったことに気づきました。堆肥の山の一つには、前出の写真のように、バターナッツかぼちゃなども投入されているのですが、臭いではなくて、トロトロになった漬物のようです。それは腐敗ではなく発酵だということの一番の証拠でした。腐敗でも発酵でもいつかは土に還るのかもしれないけれど、この作業が後々の美味しい野菜のもとになるというのはとても納得がいきました。

この日の印象的だったのは、終盤太田さんがこぼした「腐敗と発酵は紙一重」という言葉です。

「発酵していると腐敗しているというのはどうやって見分けますか?」と伺うと、「漬物も腐敗したら臭いよね。糠床がダメになると見かけ以上に臭いがする。あ、食べたらこれはやばいだろうと。でも、不思議とそういうことを判断する力は、人間に本能的に備わっているから、大丈夫」と教えてくださいました。

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自然界の微妙な条件を感じ取っておこなわれる堆肥作り。なぜ発酵が大事なのか、農業にとって堆肥とはどういうものなのか。普段見ている部分だけでは、なかなか畑やマーケット以外の部分が想像しにくいですが、堆肥が栽培の肝と言えるくらいこだわりのある要素であることは間違ありません。

そして、その堆肥の質を追求されている様子を目の当たりにし、よりよい野菜を作るため、試行錯誤のコアな部分としての堆肥を少しだけ体感することができました。Ome Farmのみなさん、ありがとうございました!

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